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精神保健指定医取消処分は「後出しじゃんけん」東京高裁判決

レポート 2021年2月8日 (月)  水谷悠(m3.com編集部)

厚生労働省による精神保健指定医取消処分は違法だとして北里大学医学部精神科学准教授の高橋恵氏が国を訴えていた裁判で、東京高裁(野山宏裁判長)が医師敗訴の東京地裁判決を破棄して取消処分は違法としたことを受けて同氏が2月8日に都内で記者会見し、「本来受けなくていい処分で被った損害は甚大。(国に)何らかの補償を考えていただきたい」と訴えた。1月27日の高裁判決では「(厚労省の)処分基準はアンフェアな後出しじゃんけん的なもの」などと厳しく批判しており、代理人弁護士の井上清成氏は「かなりきつい物言いをしている。厚労行政にくさびを打ち込んだ判決だ」と述べた。 厚労省障害保健福祉部精神・障害保健課は上告するかどうかについて「現時点では申し上げられない」としている。 高橋氏(左から2人目)、井上氏(右から2人目) 高橋氏は、既に最高裁で勝訴が確定している田沼龍太郎氏の指導医。高橋氏の指導のもとでケースレポートを提出したもう一人の医師は、自身の裁判では敗訴が確定しているものの、高橋氏の判決においては十分な関わりを持っていたことが認定されており、高橋氏は「それを踏まえて処分を見直してほしい」と求めた(『医師...