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“感染災害”、東日本大震災の経験生かす -石井正・東北大総合地域医療教育支援部教授に聞く◆Vol.1

スペシャル企画 2021年2月24日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「3.11」――。巨大津波と福島第一原発事故で未曾有の被害が生じた東日本大震災から、10年。震災当時、沿岸部を中心に、多くの医療機関が機能不全に陥り、被災県内外から医療者が被災地に駆け付けた。急性期の支援から始まり、長期にわたった医療支援。その教訓は、今にどう生かされているのか。当時から被災地の復旧・復興に従事する、岩手、宮城、福島の各県の医師に語ってもらった。 最初にご登場いただくのは、震災当時、石巻赤十字病院で、ピーク時の避難者数は5万人を超えた宮城県石巻市の医療救護活動で中心的役割を果たした石井正氏。現在のポジションは、東北大学病院の総合地域医療教育支援部教授。現在の仕事を踏まえつつ、この10年を概観していただいた(2021年1月26日にオンラインでインタビュー。全3回の連載)。 ――東北大学病院の総合地域医療教育支援部教授として、今はどんな仕事をされているのでしょうか。 もともとの総合診療科、漢方内科、地域医療調整、災害医療関連などの大学病院の仕事に加えて、現在は東北大がある仙台医療圏での新型コロナウイルス感染症対応が主な仕事になっています。主に3つあります。第一は東北大学診療...