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備えあれども、なお憂いあり - 石井正・東北大総合地域医療教育支援部教授に聞く◆Vol.3

スペシャル企画 2021年3月3日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【石井正・東北大総合地域医療教育支援部教授に聞く】 Vol.1◆“感染災害”、東日本大震災の経験生かす Vol.2◆無為に亡くなる人をいかに救うか Vol.3◆備えあれども、なお憂いあり ――東日本大震災の経験が、新型コロナウイルス感染症対応にも生かされたとのことです。今後も南海トラフ地震など、大地震が起きることが想定されます。いまだ備えが不十分な点は。 まずは情報通信機能。今の新型コロナの場合には、普通にメールが通じ、Web会議もできるわけです。これに対し、何度も強調していますが、東日本大震災で津波に遭った時は、「情報過疎」となった。相当なインパクトで、あれは本当に辛かった。 県庁をはじめとする基幹施設、本部機能を置く所には、可搬型の衛星基地局を設置したり、電源車をすぐに派遣できる仕組みが必要。地震の被害はモザイクなので、大きな被害に遭った地区の道をはさんだ向かい側はそれほど被害を受けていなかったりすることもあります。その例が、2016年の熊本地震。広い地域が「面」で被害を受けたわけではなかったため、停電とか、インターネットが使えないなどの問題はあまり起きなかった。 けれども、南海ト...