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震災の教訓生かし災害医学を新設 - 眞瀬智彦・岩手医大災害医学教授に聞く◆Vol.1

スペシャル企画 2021年3月4日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

東日本大震災では、沿岸部の県立病院など多数の医療機関が津波で甚大な被害を受けたのが岩手県。その支援の中心となったのが岩手医科大学だ。多数の医療者を沿岸部の支援に派遣するとともに、医療機能を維持できない医療機関からの患者の受け入れにあたった。その教訓を生かし、次なる災害に備えるため、2011年9月に開溝したのが、災害医学講座。2013年4月には災害時地域医療支援教育センターも設置するなど、災害対応の強化を図っている。 岩手医大の救急・災害・総合医学講座災害医学分野教授であり、災害時地域医療支援教育センターのセンター長を務める眞瀬智彦氏に、この10年間を振り返っていただくとともに、同センターの取り組みなどをお聞きした(2021年2月15日にオンラインでインタビュー。全3回の連載)。 ――まず10年前のことをお聞きします。東日本大震災の発災当時、先生はどちらにおられたのですか。 北上市にある岩手県立中部病院で、脳神経外科医として勤務していました。統括DMATとして、ちょうど県庁に入る当番だったので、車ですぐに盛岡市に向かい、発災の2時間後くらいから県庁で活動していました。県庁自体は、停電はな...