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尼崎の町医者が映画に「議論のきっかけになれば」-長尾和宏・長尾クリニック院長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2021年3月2日 (火)  聞き手・まとめ:岩崎雅子(m3.com編集部)

若き在宅医の苦悩と成長、看取りの現場を描いた映画『痛くない死に方』が2月20日、公開となった。原作は長尾クリニック(兵庫県尼崎市)院長の長尾和宏氏の著書『痛くない死に方』と『痛い在宅医』(ともにブックマン社)で、長尾氏自身の日常を追ったドキュメンタリー『けったいな町医者』も同時公開。「2本の問題作が終末期議論のきっかけになればうれしい」と話す長尾氏が投げかけたいもの、そして「患者と向き合う時に心掛けていること」を伺った(2021年2月21、22日にインタビュー、全2回の連載)。 インタビューに答える長尾和宏氏 ──『けったいな町医者』では長尾先生の往診の姿を追っていますが、率直に看取りの現場において、「何が正解か分からない」と感じました。 そう、分からないでしょうね。在宅看取りを美談に描くマスコミの手法には市民も医療者ももう飽きたのではないでしょうか。幸い毛利安孝監督は在宅医療をシニカルに描いてくれました。「けったいな」とは、関西弁で良くは無いけども「変わっている」。でもどこか救いがあるニュアンスの形容詞です。自分でも「けったい」であることを自覚しています。映画の通り、僕は下手な日本語...