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原発事故の課題、コロナ禍でも共通 - 坪倉正治・福島県立医大放射線健康管理学主任教授に聞く◆Vol.3

スペシャル企画 2021年3月14日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【坪倉正治・福島県立医大放射線健康管理学主任教授に聞く】 Vol.1◆原発事故の経験・記憶・教訓、風化を懸念 Vol.2◆38歳で主任教授に就任、2つの柱で研究 Vol.3◆原発事故の課題、コロナ禍でも共通 Vol.4◆「医師として必要とされる」が活動の原点 ――原発事故周辺の地域でも、住民の帰還が進んでいます。帰還を支えるには、医療は不可欠だと思うのですが、そのあたりはどう支援されていくのでしょうか。 公衆衛生に近い話ですが、幾つか難しい問題があります。一つは、特に福島県の沿岸部は、変化が繰り返し起きていること。避難指示が解除されると、避難していた隣の市町村から戻る人がいる。その市町村に他県から帰ってきたりして、人口構成が変わり得ること。二つ目は、原発の廃炉作業や復興作業などにあたるため、外から入ってくる作業員の方がいること。そうした方が住民の半数以上を占める自治体もあり、それは災害の一側面であるけれど、平日は復興作業に従事し、週末は東京に帰るような人をどう守るか――。それは一つの自治体で考えられる範囲を超えています。 さらに一定程度、住民が戻ったとしても、高齢者が多く、糖尿病などの...