「コミュニケーション」は薬や手術と同じくらい、誰かを幸せにできる?
オピニオン
2021年3月28日 (日)
市川衛(医療の翻訳家)
はじめまして、市川衛と申します。 「医療の翻訳家」という肩書を勝手に名乗って活動しています。広島大学医学部で客員准教授、そのほか、京都大学医学部で非常勤講師などもさせていただいています。 専門は?と問われれば、「ヘルスコミュニケーション」と言えるかもしれません。もともとNHKで、医療や健康を主に扱うディレクターとして番組を作ってきました。「ためしてガッテン」や「NHKスペシャル」などを主に担当し、代表作と言えるのは2017年に制作したNHKスペシャル『睡眠負債が危ない』でしょうか。この番組とネット展開により、「睡眠負債」というワードは全国に広がり、その年の「新語・流行語大賞」のトップ10にも選ばれました。 それまで、睡眠の専門家による度々の注意喚起はあっても、日本人の睡眠は国際的に見て「短い」状態が続いており、かつ、「先週は3日も徹夜しちゃったよ」というような話が、ある意味での「武勇伝」のように語られることが当たり前でした。それが現在は、寝るほうが良いということが浸透したばかりでなく、「長く寝ている人のほうがクール!」という空気すら感じます。わずか数年での意識の変化に隔世の感があります...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。