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残る課題は「コロナウイルス学」の追究 - 河岡義裕・東大医科研特任教授に聞く◆Vol.3

インタビュー 2021年4月25日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【河岡義裕・東大医科研特任教授に聞く】 Vol.1◆「ネオウイルス学」発足の狙い Vol.2◆日本がワクチン開発に立ち遅れた訳 Vol.3◆残る課題は「コロナウイルス学」の追究 ――新型コロナウイルス感染症の関連で、今後、日本で研究しなければいけないテーマはありますか。ワクチン、新薬など多々あるかと思いますが。  「コロナウイルス学」です。例えば、季節性の風邪を起こすコロナウイルスが4種類あります。しかし、季節性コロナウイルスがなぜ流行を続けることができるのか、ということすら分かっていないのです。つまり、「ウイルスが存続できる」のはどんな場合か。それは2つに大別できて、一つは季節性インフルエンザのように、ウイルスの抗原性が変わるために、常に感受性のあるヒトが存在する場合。もう一つは、感染してできる免疫が持続しないので、再感染するケース。季節性コロナウイルスの場合、どちらであるかがまだ分かっていない。それは全然研究されていないからです。 ――季節性コロナウイルス感染症の場合、重篤な疾患ではないから、研究が進まなかった。  大した病気でないから、...