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医療界に求められる対応とは何か、医師の働き方改革

オピニオン 2021年4月1日 (木)  千正康裕(株式会社千正組代表取締役)

1.医師の働き方改革の法律が変わる 「医師の働き方改革」に関する医療法の改正法案が今国会に提出され、審議されています。法案が成立すれば、勤務医の時間外労働の時間に上限が定められるなど大きく医師の働き方のルールが変わります。これまで、医師の使命感を背景とした長時間労働の中で医療を回してきた現場にとっては、大きな変化となります。この医療法改正が国会で可決されれば、今からちょうど3年後の2024年4月にスタートしますので、それまでに医療機関も医師も関係する医療職種も様々な対応をしなければなりません。 勤務医の年間の時間外労働は960時間までとなります。ただし、現状では勤務医の長時間労働を前提に地域医療が賄われているケースもあり、また技術の習得・向上のためには集中的に働く時期が必要なケースもあるので、そうした医療機関は労働時間短縮のための計画を作成し、第三者機関(評価機能と呼んでいます)の評価を受けた上で、都道府県の指定を受ければ、当面は年間最大1860時間までの高い上限を設定することができます。地域医療確保などのために、やむを得ず長時間労働を許容するとしても、医師の健康確保のために、28時間...