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「病院船」で災害訓練、医療者100人・患者50人規模

レポート 2021年3月30日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

政府は3月30日、災害時などに船内で医療行為を行うことを主な機能とする「病院船」について、新たに建造するのではなく、自衛隊艦艇などを活用し、2021年度後半に本格的な訓練を行う方針を公表した。訓練は、内閣府を中心に関係省庁が連携して、医療活動の初動(要員の参集)から完了(患者の搬出)までの流れを、医療従事者約100人、患者役の住民約50人の規模で、高知県での実施を予定している。 他方、「500床、2万トン規模」の病院船の建造は、ヘリの搬送可能患者数、入港可能港湾数等からも過大である上、そもそも病院船で従事する災害医療人材不足などの事情から見送る。内閣府担当者は、「病院船の建造は排除せず、引き続き検討はする」としたものの、(1)医療従事者の確保、(2)運航要員の確保、(3)平時の活用方策――という3つの課題が先決であると説明した。 感染症対応のため新たな船舶を建造する必要性は乏しい 病院船については、2011年の東日本大震災後にも検討されたほか、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応では、2020年2月には超党派の「災害医療船舶利活用推進議連」が発足するなど、必要性を指摘する意...