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主任弁護人・平岩敬一氏に聞く(上)◆Vol.29

レポート 2008年9月17日 (水)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

大野病院事件の弁護団は総勢8人。産科の専門的知識を習得し、精力的な弁護活動を展開した。主任弁護人を務める平岩敬一氏(関内法律事務所)に、加藤克彦医師の逮捕・起訴、公判、無罪確定までの経緯、今回の判決の解釈、さらには医療界にとっての今回の事件の教訓などを聞いた(2008年9月12日にインタビュー、2回に分けて掲載)。 「捜査の最初の段階で専門家の意見を聞くのは当然のこと。だが、検察はそれをやっておらず、不当な起訴につながった」と指摘する平岩敬一氏。 ――判決が確定して今、思うことをお聞かせください。 改めて申し上げますが、今回の逮捕、拘留、起訴は不当であったということです。加藤克彦医師が逮捕されたのは2006年2月で、事故が発生してから1年以上たってからのことでした。その間、加藤医師は福島県立大野病院産婦人科の一人医長として、外来・入院患者の診療を続けていました。医師として仕事をし、また家庭面でも間もなく第一子が生まれるという状況でなぜ彼を逮捕する必要があったのでしょうか。 また既に逮捕時点までに、警察は主要な関係者に話を聞き、カルテなどの証拠も押収していました。拘留は、罪を犯したことを...