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都立病院の産婦人科医の立場から見た妊婦搬送問題(5)- 都立府中病院・桑江氏

オピニオン 2008年11月28日 (金)  桑江千鶴子(都立府中病院産婦人科部長)

3.周産期センターの看護師・助産師にもっと権限と医療技術を持ってもらう 産科医不足が、当分の間、解決しないのであれば、以前より懸案であったことについて議論しても良いと考える。特に公立病院のコメディカルについては、「働かない」批判があることは事実であるし、その分、医師の仕事にしわ寄せが来ている。 少なくても法律上認められていて、他の病院では看護師・助産師の仕事になっていることについては、実行してほしいと思う。例えば血管確保であるが、当直医が弛緩出血で止血することで手が離せないときには、血管確保をしてくれないと妊婦さんの命にかかわる。また、医師の指示があれば可能である薬剤投与などもしてほしい。医療事故を恐れるあまりに、また責任問題にかかわりたくないのか、「すべてを医師に」という風潮があり、残念である。 そのほかにも「分娩の進行を判断できる」あるいは「胎児の状態を判断できる」知識と技術があって、医師に報告しつつ一緒に対応できるのであれば、医師の負担はだいぶ軽減できるし、その分、医師はもっと重症例に対処できると思う。また実力がついたり、責任がある仕事をした方が若いコメディカルにはやりがいにつな...