「HPVワクチン啓発のキーパーソンは小児科医」小児科学会教育セミナー
レポート
2021年4月22日 (木)
橋本佳子(m3.com編集長)
第124回日本小児科学会学術集会の4月17日の教育セミナー「HPVワクチン啓発のキーパーソンは小児科医である」で、大阪府立病院高校大阪母子医療センター新生児科医長の今西洋介氏は、「社会行動科学の知見を取り入れたHPVワクチン啓発の効果」をテーマに講演した。 HPVワクチン接種で前がん病変だけでなく、子宮頸がんの発症自体も予防できるというスエーデンのエビデンスや、オーストラリアでは2028年の子宮頸がん撲滅も視野に入るなど、最新知見を紹介する一方、日本では現状の「接種率1%以下」が今後も続いた場合、年5000人以上の女性が死亡するとの推計も紹介。 HPVワクチン定期接種の対象年齢は、小学6年から高校1年相当の女子だ。この年齢層を診るのが小児科医であり、予防接種にも慣れ、生後から継続して診ているという強みがある。積極的接種勧奨の差し控えが続く日本にあって、接種を進めるには小児科医の協力が不可欠であると今西氏は訴えた。
(提供:中西氏)
今西氏は、有志の医師らで組織する一般社団法人「HPVについての情報を広く発信する会」(通称:みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト)...
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