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【北海道】特定行為の真のメリットは「医療行為にない」‐日野岡蘭子・旭川医科大学病院看護師長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2021年5月28日 (金)  庄部勇太(m3.com契約ライター)

 旭川医科大学病院の看護師長・日野岡蘭子氏は2016年に特定行為研修を修了して以来、血管外科において包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)などの患者にデブリードマンや陰圧閉鎖療法を行っている。その効果は数字に表れているほか、医師のタスクシフトにも貢献しているという。一方、「重要なのは研修を受ける本当のメリットや行為の意義を正しく認識すること」。どういうことか。現在の課題を含めて聞いた(2021年4月7日インタビュー。全2回連載の2回目)。 ――日野岡さんが特定行為を行うことにより、CLTI患者への治療がスムーズに進むようになるなど効果が出ているとのことでした。特定行為の制度化の背景には医師の働き方改革も挙げられます。この点でも貢献していると思いますか。  はい。医師のタスクシフトに貢献していると思います。特定行為であるデブリードマンや陰圧閉鎖療法を行っている患者さんに関する質問が私に寄せられるようになり、医師への相談数がかなり減ったと考えられるためです。実際、医師から「手術中にかかってくる看護師からの電話が少なくなった」と聞いたこともあります。 日野岡蘭子氏(本人提供)...