昨春は本当に「地獄」のような日々 - 永寿総合病院看護部幹部に聞く◆Vol.1

――「第1波が収束し、第2波が来るかもしれない」という時に、出版社から話があったと聞きます。高野　アウトブレイクが発生した後、何度か「記者会見をする」という話があったのですが、全ていろいろなしがらみがあって、できずにいました。当時の院長は会見で話す内容まで用意し、「明日、記者会見するよ」と言っていたのに、キャンセルになったこともあります（編集部注：当時の院長である湯浅祐二氏が、記者会見を最初にしたのは2020年7月1日、日本記者クラブにて）。記者会見を開かないこともあって、間違った情報がいろいろなところから流れたりしていたので、「きちんと正しいことを伝えなくてはいけない」という気持ちが私たちの中にあったのです。また他でも、新型コロナの院内感染で困っている病院があり、「私たちが経験したことを伝え、役立ててもらいたい……」と思っていたところに、タイミングよくお話をいただいたことになります。最初は「マニュアル本」を想定していたのですが、対策はその時々で変わっていきました。そこで、「何が起きて、その時に何をしたのか」を書いていけば、そこから必要な情報をくみ取ってもらえると考え、それが分かる構成...