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変異株「次々と出現、封じ込めは困難」感染研・齋藤氏

レポート 2021年5月13日 (木)  小川洋輔(m3.com編集部)

 国立感染症研究所感染症危機管理研究センターのセンター長を務める齋藤智也氏は5月8日、第95回日本感染症学会学術講演会と第69回日本化学療法学会総会の合同学会で開かれた緊急シンポジウム「新型コロナウイルス感染症の変異株の現状と課題」に登壇し、「次々といろいろな変異株が出現しており、封じ込めるチャンスはごく初期に限られる。地域に偏りのない検査体制を作ることが非常に重要だ」と、全ゲノム解析のキャパシティー向上の必要性を訴えた。  齋藤氏がシンポジウムで示した資料(※5月12日に感染がB.1.617系統をVOCに追加)  現在、日本各地で新規陽性者の多くを占めるようになっているイギリス型の変異株(B.1.1.7系統)への日本の初期対応について、齋藤氏は、2020年12月20日に欧州疾病予防管理センター(ECDC)が「伝播のしやすさが最大70%増加する」などとするレポートを公表した直後の12月22日には、日本の感染研が厚生労働省のアドバイザリーボードに状況を報告したことを説明。同日時点では、ゲノム確定を終えている国内1万4077検体、空港検疫384検体のいずれからもN501Y変...