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東京医大の申請書への指導を否定、文科元局長

レポート 2021年5月18日 (火)  小川洋輔(m3.com編集部)

 私立大学研究ブランディング事業に関して便宜を図る見返りに、息子を東京医科大学に不正に合格させてもらったとして受託収賄罪に問われている元文部科学省科学技術・学術政策局長の佐野太被告に対する被告人質問が5月17日、東京地裁(西野吾一裁判長)であり、佐野被告は東京医大理事長(当時)の臼井正彦被告から頼まれた事業申請への助言や担当者の紹介を再三断り、「この件で会うことはできない」などと伝えていたと主張した。検察側は東京医大の申請書案をどの程度見たのかを何度も尋ねたが、佐野被告は「目(視界)に入っただけ」などと繰り返し、申請の内容は知らなかったと強調した。 これまでの被告人質問によると、佐野被告は東京医大によるブランディング事業の申請を巡り、2017年5月10日の会食で「私が(申請書の)書き方を指導するのは無理なので、担当者を紹介する」と臼井被告に約束。だが、翌日に文科省の資料を確認したところ、電話でしか問い合わせには応じないと記載されていたため、その日の夜、都内のホテルで臼井被告と会い、担当者を紹介できないと伝えたという(これまでの公判の内容はシリーズ医学部不適切入試を参照)。 検察側から、...