大学勤務18年、貯金200万で開業できる?
オピニオン
2021年6月5日 (土)
松永正訓(松永クリニック小児科・小児外科 院長)
病気を患い千葉大病院を去ることを決めたものの、なかなか次のポストが見つからず焦りを募らせる日々。そんな時、頭に浮かんできたのは「開業」という道だった。でも、開業って一体どうやるの?
小児外科医は小児科クリニックで働けるか
2005年になった。2006年の春に大学を辞める予定だから、あと1年で次の仕事を見つけなくてはいけない。科学者として生きていく道もないし、メスを捨てて小児腫瘍の内科医として生きていく道もない。では、どうすればいいのだろうか。
そういえば、放射線医学総合研究所へ就職相談に行ったとき、先輩の先生から開業医になるという選択肢もあると教えられた。開業医か。小児外科医であるぼくに務まるのかな。小児外科の疾患なんて、ものすごくレアなものばかりだ。一番多いのは、鼠径ヘルニアだけど、開業医になって毎日鼠径ヘルニアの患者が列をなして受診するなんてありえない。
風邪とか、胃腸炎とか、喘息とかそういう病気がメインのはず。中にはもっと難しい病気もあると思うけど。
しかしよく考えてみれば、小児外科医といってもぼくの場合、かなり小児科医に近い仕事もしてきた。当時の千葉大病院...
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