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医師のプロ意識の崩壊が“医療崩壊”招く-米ワシントン大・加藤氏

オピニオン 2009年3月4日 (水)  加藤 良太朗(米国ワシントン大学医学部内科インストラクター)

最近の医療報道を眺めていると、わが国における医師という職業の社会的位置付けについて考えさせられる。福島県立大野事件でみられたような、高度な医学的判断への司法の介入は、勤務医の士気に決定的な打撃が与えた。厚生労働省主導で始まった臨床研修制度は、医師免許という職業的国家資格を持つ研修医を“戦力外(アマチュア)”としたに等しく、医師不足に拍車をかけている。 一方で、再三報道される医師不足に対しては、安易に医学部入学枠の拡大がなされ、教育する側のスタッフ増員は必ずしも確約されていない。「増えるのはペーパーワークなどの雑用ばかり」と嘆く現場の医師たちは、医療よりも「患者様」へのサービスに追われ、クレーマーの対応に右往左往している。 さらに、医療崩壊にかかわる議論がこれだけメディアで活発になされていながら、医療現場が改善しているという実感はない。日本におけるこれらの諸問題の背景には、社会における医師のプロフェッショナリズムの崩壊があると私は考える。今回は、医師をプロフェッショナル(以下、プロ)として機能させる医療環境作りの重要性について考察したい。 プロフェッショナリズムとは 医療におけるプロフェ...