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医師25年を振り返る、最近見かけなくなった疾患とは?

オピニオン 2021年7月4日 (日)  神田橋宏治(医師、DB-SeeD社長)

 さて46回目です。医師になってそろそろ25年くらい経ちます。 日常生活の中での出来事について医師目線でいろいろ気づいたことがありますので、今回はその辺の話をさせてください。 まず気づくのは街中でのてんかんの大発作を見なくなったなということです。医師になった頃は年に1回、少なくとも2年に1回程度は発作を起こしている方に遭遇していました。たいてい周りに集まっているのは医学に詳しくない方ばかり(悪く言えば野次馬)なので、僕がその場のリーダーになることが多かったです。診断を受けているか、薬を飲んでいるかどうかを聞き、許可を得てバッグの中の薬を探したり、最初に気づいた人に話を伺ったりしながら救急車を待つ。で、救急隊員に状況を整理して説明するということをやっていました。 しかし、これがこの10年くらい一度もない。おそらくは医療が進んで、てんかんが上手にコントロールできるようになったのでしょう。医学の進歩というのは素晴らしいものがあるのだなと、ちょっとしみじみします。でも僕が年取って活動範囲が狭くなったために遭遇する確率が減っただけという可能性もあるかなとも思いますが。...