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「チャート式内科」に限界あり◆Vol.2

レポート 2009年3月19日 (木)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――演繹法による発想、組織の限界を指摘されています。 田中 ええ、森林整備の予算と面積を拡充することに反対した森林組合の幹部は、仲間内で既得権益を護ろうとする“ムラ社会”です。問題先送り型の組織ですね。間伐事業への土木建設業者や環境NPOといった新規参入者は罷り成らんと考えたのでしょうから。 嘉山 それは、人間としての生命力が失われつつあるからでしょう。 戦後、60年以上すぎ、米国の影響だと思うのですが、教育が子供たちを骨抜きにした。二元論で、白か黒かですべて片付けようとする。人間は皆、様々な可能性を持っているんです。誰だって殺人者になる可能性だってある。けれども、あうんの呼吸の中で、「ダメなものはダメ」ということで一歩踏み出さない。それが人間だったんです。しかし、今の子供たちはプラスマイナスしかない。 僕がやってきた改革はすべて現場から。だから僕と同じことを東京でやってもダメです。例えば、僕が東大の医学部長になったら、全然違うことをやります。ただし、心は同じで、例えば、組織をどうやって活性化するか、そこで働いている人々をいかに幸せにするかを考えるわけです。 田中 大事な指摘ですね。と...