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行動制限に「出口戦略」、病院での勤務の議論も必要

オピニオン 2021年7月25日 (日)  志賀隆(国際医療福祉大学救急医学主任教授/同大学成田病院救急科部長)

 首都圏でのオリンピック会場が無観客となったことに多くの医療関係者が胸をなでおろしているところだと思います。一方、米メジャーリーグのオールスターやサッカーの欧州選手権を見ていると、日本でももっと早くワクチン接種を進められれば、オリンピックの開催方式ももう少し別の可能性があったのではないかと残念にも思います。変異株の影響もあり、今後の医療機関、あるいは社会での行動制限の緩和策を考えるのは簡単ではありません。 医療従事者の接種が進んで  ワクチン接種が進み、医療機関のクラスターが減っています。ただ、ワクチンを打たない医療従事者からの院内感染事例もあり、厳格な対策が求められることに変わりはありません。  アメリカの病院ではワクチンを打たない人は働けない、というところもあります。個人の選択と病院での働き方について、より突っ込んだ議論が必要です。  日本では現状、ワクチン接種者と未接種者の行動制限に差はありません。しかし、ワクチン接種者に証明書を発行して、海外への渡航が円滑になるといった動きは諸外国で始まっています。日本も証明書を発行する方向なので、海外渡航を端緒に、証明書や検査歴を...