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「都会には総合診療医は要らない」は本当?

オピニオン 2021年8月9日 (月)  佐々江龍一郎(NTT東日本関東病院国際診療科部長、東京医療保健大学臨床教授)

「都会では医師過剰でだから総合診療プログラムは必要ない」といった声をしばしば耳にします。日本では2020年には、「75歳以上」が「65~74歳」の人口を上回り、その後「75歳以上」は、2025年に2000万人台まで増え、その後もあまり変化がないです。東京などでも、老人の数は減ることが予想され、医師数だけを見れば都会でも「過剰」と解釈されても仕方がないかもしれません。 しかし「都内でも医師が効率的に活用されている」と言うと、必ずしもそうではありません。高齢者は、糖尿病や高血圧、脂質異常症、心疾患、脳血管疾患など、多くの疾患を同時に罹患していることが多く、現在高齢者(75歳以上)の6割が3疾患以上の慢性疾患を併発しています。...