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「岩盤規制」乗り越え専門病院開設 - 山下弘幸・やました甲状腺病院長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2021年8月22日 (日)  聞き手・まとめ:小川洋輔(m3.com編集部)

 51歳にして開業医に転身し、有床診療所を経て、2017年にやました甲状腺病院(福岡市)の開設にこぎ着けた山下弘幸院長が、自身の半生を振り返る『ゼロからの専門病院開設 岩盤規制を乗り越えて』(幻冬舎メディアコンサルティング)を上梓した。なぜクリニックの開業にとどまらず病床を持つ必要があったのか、どのようにして病床過剰地域で病床削減に逆行するとも言える病院開設を成し遂げたのか。前例のない道を歩んできた山下院長に聞いた(2021年7月30日にインタビュー、全3回掲載)。 ――クリニックを開業する医師は多いですが、有床診療所や病院を新たに開設する医師はなかなかいません。  私が歩んできた道のりは非常に特殊です。本で少し書きましたが、とある事情で勤めていた甲状腺専門病院の草分けとして有名な野口病院(大分県別府市)を辞めざるを得なくなって、2006年、51歳で甲状腺・副甲状腺専門の「やましたクリニック」を開業しました。甲状腺外科医というニッチな専門領域、勤務先から離れた福岡市での落下傘開業、そして開業適齢期をとうに過ぎた50歳代という「三重苦」を負っていましたので、到底、モデル的な開業物語で...