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「無罪判決翌日の新聞を見て驚いた」◆Vol.1

スペシャル企画 2009年4月27日 (月)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

「警察の捜査も、メディアの報道も、すべての問題の根源は女子医大の内部報告書」。こう繰り返し強調する佐藤一樹氏。東京女子医大事件で業務上過失致死罪に問われた佐藤氏は、3月27日、東京高裁判決で一審に続き無罪となった(検察は上告せず、確定)。 この事件は、2001年、東京女子医大で、心房中隔欠損症と肺動脈狭窄症の治療目的で手術を受けたものの、患者が脱血不良で脳障害を来し、術後3日目に死亡したというもの。心臓手術では日本でトップクラスの女子医大での事故であり、「医師逮捕」という形で刑事事件化したことで、メディアでも大々的に報じられた。この手術で人工心肺装置の操作を担当していたのが、佐藤氏だ。執刀医はカルテ改ざんなどを行い、証拠隠滅罪で有罪になっている。 事故から8年、逮捕・起訴から7年近く。佐藤氏に今の心境や今回の事件の教訓などについて聞いた(2009年4月7日にインタビュー)。 佐藤一樹氏は、「判決後の記者会見で、内部報告書の問題を強調すればよかった」と悔やんでいるという。 ――3月27日の東京高裁で無罪判決が言い渡されていますが、その翌日の朝刊を見て驚かれたとお聞きしています。 はい。結...