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都の軽症向け酸素ステーション、使用率30%未満、搬送辞退も続出

レポート 2021年9月1日 (水)  小川洋輔(m3.com編集部)

 東京都が8月23日に「都民の城」(東京都渋谷区、旧国立児童館こどもの城)で開設した酸素ステーション(130床)の使用率が30%未満で推移している。実施できるのは酸素投与や輸液に限られる上、搬送を辞退する療養者も多いという。都は今後も2カ所に酸素ステーションを整備する方針だが、都医師会の尾崎治夫会長は8月31日の記者会見で、「今後作るなら、軽症と中等症で機能を分けてしっかりとした目的が達成されるものを作る方がいいのではないか」と述べ、軽症向け施設では抗体カクテル療法を実施するよう求めている。 自宅療養者の急増を受けて、都は「都民の城」に軽症向け、各都立公社病院に中等症向けの酸素ステーションを整備している。「都民の城」には130床が整備され、医師(日勤2人、夜勤1人)や看護師が常駐。救急を要請した自宅療養者のうち、軽症者の搬送を受け入れている。酸素投与のほか、脱水症状に対応するため輸液を施しているが、抗体カクテル療法などの治療は行っていない。 都感染症対策部事業推進課によると、8月23日の開設以降、8月31日朝までに計107人を受け入れた。大半が1~2泊で病院などに搬送されるか自宅に戻る...