1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「相談は一種の技術」若手医師に身に付けてほしいメンタルヘルスケア‐鈴木裕介・秋葉原内科saveクリニック院長に聞く◆Vol.1

「相談は一種の技術」若手医師に身に付けてほしいメンタルヘルスケア‐鈴木裕介・秋葉原内科saveクリニック院長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2021年9月18日 (土)  庄部勇太(m3.com契約ライター)

 初期研修医のうち約2割は研修開始後3カ月でうつ状態になる。国内での2011年調査(※)ではこんな結果も出るなど、「激務」と言われる研修医の世界。何らかの心の問題を抱えたとき、自分の異変にどう気付き、どう対応していくと良いのだろう。2009年から若手医師のメンタルヘルスケアに取り組んでいる「秋葉原内科saveクリニック」の鈴木裕介院長に、自身の経験を踏まえて大切だと思うことを聞いた(2021年7月19日にインタビュー。全2回連載)。▼第2回はこちら ――先生はこれまで、若手医師のメンタルヘルスケアに取り組んできたと聞きました。  はい。私が研修医2年目だった2009年から行っています。これまで数十人の相談に乗ってきたので、延べ100回以上は悩みを抱える医師と対話してきました。きっかけは、私が研修医の時に近しい人の自死が続いたことです。優しくて、常に周りの人のことを考えていたような人が、なぜ自ら死を選ぶ状況に追い込まれるのか、当時の自分には全く分かりませんでした。しかし、このままま何事もなかったかのようになっていくのはとても悔しい気がしました。「仕方なかった」ということにはしたくなか...