10月の業務範囲拡大に向け、救急救命士のプロトコールと教育ラダーを作成-末吉敦・宇治徳洲会病院院長らに聞く◆Vol.2
インタビュー
2021年9月25日 (土)
大迫拓志(m3.com契約ライター)
2021年5月の医療法改正で業務範囲拡大が決まった救急救命士。今後は病院の救急外来での活躍が期待される。宇治徳洲会病院は2004年から救急救命士を雇用し、医療チームの一員として活用する先駆的な取り組みを続けてきたが、法改正を受け、救急外来で救急救命士が職能を発揮する準備を進めている。末吉敦院長(救急科専門医)と救急救命士科・能登路賀一副室長(救急救命士)に聞いた。(2021年8月10日インタビュー、計2回連載の2回目)▼第1回はこちら
――2004年に救急救命士の採用を開始した目的の中に、プレホスピタルケア(病院前救護)の体制強化もあったのではありませんか。
末吉 それもあります。当院は消防の救急車搬送受け入れ以外に、病院所有の救急車による搬送受け入れも行っています。2004年当時は主に循環器の患者さんですが、年間400件程度を当院の救急車で迎え入れていました。患者さん宅に行くというより、他院の入院患者で心筋梗塞などが発生した場合に通報を受けて迎えに行く形の出動が多いのですが、こうした搬送に救急救命士を活用することも目的でした。また、自前の救急車で搬送を始めた理由は、他病院が心筋...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。