トラネキサム酸、分娩後出血の予防効果は？

妊娠35週以降に経腟分娩した女性3891例を対象に、分娩後出血に対するオキシトシンにトラネキサム酸追加投与の予防効果を無作為化比較試験で検討した（TRAAP試験）。 その結果、500mL以上の分娩後出血の発生率はトラネキサム酸群8.1％、プラセボ群9.8％で有意差はなかった（相対リスク0.83、95％CI 0.68-1.01、P＝0.07）。医療提供者が評価した臨床的意義のある分娩後出血の発生率（7.8% vs. 10.4%、同0.74、0.61-0.91、調整後のP＝0.04）および子宮収縮薬追加投与発生率はともにトラネキサム酸群でプラセボ群に比べ有意に低かった（7.2% vs. 9.7%、同0.75、0.61-0.92、調整後のP＝0.04）。分娩後3カ月以内の血栓塞栓イベント発生率に有意差はなかった（0.1% vs. 0.2%）。...