高リスク心臓手術の輸血戦略、制限的と非制限的で死亡率同等

心臓手術施行予定で中等度以上の死亡リスクを有する患者5243例を対象に、輸血戦略別の術後6カ月の臨床転帰を無作為化比較試験で検討（TRICS III 試験）。対象例を制限的赤血球輸血戦略群（術中または術後のヘモグロビン濃度7.5g/dL未満の場合に輸血）と非制限的赤血球輸血戦略群（ICUではヘモグロビン濃度9.5g/dL未満、ICU以外の病棟では8.5g/dL未満の場合に輸血）に割り付けた。 術後6カ月時、主要複合転帰（全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、透析を要する新規腎不全）は、制限輸血群の17.4％、非制限輸血群の17.1％に発生した（オッズ比1.02、95％CI 0.87-1.18、非劣性のP=0.006）。死亡率は制限輸血群6.2％、非制限輸血群6.4％で（オッズ比0.95、同0.75-1.21）、有意差はなかった。...