腹部開放治療での臓器保護レイヤー、消化管瘻発症を予防

腹部開放治療（open abdomen treatment）中の腹膜炎患者を対象に、臓器保護レイヤー（VPL：visceral protective layer）の消化管瘻予防効果を傾向スコアマッチングによる症例対照解析で検討した。 VPL使用群と対照の非使用群の各34例に年齢、性別、基礎疾患、死亡率、緊急手術、筋膜閉鎖、よび腹部開放治療期間の顕著な差はなかった。消化管瘻発症の頻度は対照群で有意に高かった（VPL使用群2.9％ vs. 対照群26.5％、P＝0.00）。最終のロジスティック回帰分析で、VPLの使用により消化管瘻発症リスクが有意に低下し（オッズ比0.08、95％CI 0.01-0.71、P＝0.02）、相対リスク減少率は89.1％となることが分かった。 ...