HFpEFへのsacubitril/バルサルタン合剤で転帰改善せず

駆出率45％以上の心不全患者4822例を対象に、アンジオテンシン受容体-ネプリライシン阻害薬sacubitril-バルサルタン合剤による効果を無作為化比較試験で検討した（PARAGON-HF試験）。 その結果、複合主要評価項目（心不全による入院または心血管死）が合剤群の526例で894件、バルサルタン単独群の557例で1009件発生した（率比0.87、95％CI 0.75-1.01、P＝0.06）。心血管死亡率は合剤群8.5％、バルサルタン単独群8.9％（ハザード比0.95、95％CI 0.79-1.16）、心不全による全入院は合剤群690件、バルサルタン単独群797件だった（率比0.85、95％CI 0.72-1.00）。合剤群はバルサルタン単独群に比べて、低血圧および血管性浮腫の発生率が高く、高カリウム血症の発生率が低かった。 ...