術後イレウス、輸液過負荷や術後合併症が危険因子

標準的な術後回復促進策を実施する三次大学病院で、待機的大腸切除術施行患者4205例を対象に、周術期輸液管理と術後イレウス発生の関連を後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、術後4日時に377例（9％）でイレウスが発生した。術中の輸液量はイレウス発症群3.2±2.6L、非発症群2.5±1.7Lだった（P＜0.001）。術後1日時の体重増加度はイレウス発症群3.8±7.1kg、非発症群3.0±6.6kg（P＝0.272）、2日時では4.4±6.5kg、3.1±7.0kg（P＝0.028）、退院時では1.8±6.0kg、0.0±6.0kg（P＝0.002）だった。多変量モデルで解析すると、3L超の手術当日輸液量（オッズ比1.65、95％CI 1.13-2.41、P＝0.009）、2.5kg超の術後2日時体重増加（同1.49、1.01-2.21、P＝0.048）、術後合併症発生（同2.00、1.39-2.90、P＜0.001）がイレウスの独立した危険因子だった。 ...