電子たばこによる細気管支炎発症例の経過

テトラヒドロカンナビノールを添加した香味付き電子たばこ用リキッド（eリキッド）の過剰吸引後に難治性咳、進行性呼吸困難などを呈して受診した17歳のカナダ人男性1例の症状および経過を報告した。 初診で発熱、頻脈、低酸素血症および呼気クラックルが、胸部CTで急性細気管支炎に当てはまる小葉中心性「樹枝状」結節の形成が認められた。難治性高炭酸ガス血症で挿管、侵襲的機械的換気、静脈-静脈体外膜酸素化（ECMO）を要したが、高用量コルチコステロイド投与で症状改善が見られ、機械的換気およびECMOを離脱し、入院47日時に退院した。退院の数カ月後も運動耐容能は依然として低く、ガス捕捉を伴う固定性気道閉塞が確認された。一連の臨床症状から、eリキッド中の香味料の吸引に続発したと考えられる閉塞性細気管支炎の可能性が示唆された。 ...