新型コロナのヒト-ヒト感染を示唆する家族内集積事例
中国で集団発生している新型コロナウイルス肺炎は、武漢市内の海鮮市場との関連が指摘されているが、ヒト-ヒト感染や院内感染についてはデータはまだない。ここに家族内集積の事例として、武漢市訪問後に原因不明の肺炎を発症した一家5例および家族の一員で武漢市には同行していない1例、計6例の臨床的および微生物学的所見をまとめた。 一家が武漢市などを訪問したのは2019年12月29日-2020年1月4日。武漢市で病院を訪問した者はいたが、生鮮市場や動物に接触した者はいなかった。6例中5例(36-66歳)は曝露後3-6日後に熱、上気道および下気道症状、下痢を呈し、発症から6-10日後に病院を受診した。胸部X線では無症候の10歳児を含む全6例にすりガラス状陰影を認めた。60歳超の高齢患者では全身症状が顕著で、広範囲に及ぶ肺のすりガラス状変化、リンパ球の減少、血小板の減少、C反応性蛋白と乳酸脱水素酵素の増加が見られた。6例中5例(無症候の10歳児を含む)の鼻咽頭検体がRT-PCRで新型コロナウイルス陽性を示した。 ...
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