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2019-nCoVとSARS-CoVの遺伝学差違

2020年1月31日  Lancet

新型コロナウイルス(2019-nCoV)による肺炎患者9例の気管支肺胞洗浄液を用いて次世代シーケンシングと培養検査を実施。検体提供例のうち8例が武漢海鮮市場を訪れていた。 患者9例から取得した2019-nCoVのゲノム配列10個は極めて類似していた(99.98%超の相同性)。2019-nCoVは、2018年に中国東部の舟山市で採集したコウモリ由来のSARS様コロナウイルスbat-SL-CoVZC45およびbat-SL-CoVZXC21と密に関連していたが、SARS-CoV(約79%)およびMERS-CoV(約50%)とは比較的離れていた。系統発生解析から、2019-nCoVはベータコロナウイルス属サルベコウイルス亜属に属することが明らかになった。 ベータコロナウイルスは最も近いbat-SL-CoVZC45およびbat-SL-CoVZXC21よりもいくぶん枝長が長く、遺伝子学的にみるとSARS-CoVとは異なる。相同性モデルでは、2019-nCoVは複数の塩基でアミノ酸変異を認めものの、SARS-CoVとほぼ同じ受容体結合領域構造があることが明らかになった。 ...