ICI関連心筋炎、心筋ストレイン低下がMACEに関連

免疫チェックポイント阻害薬（ICI）による心筋炎を呈した患者101例とICI治療下で心筋炎がない対照患者（92例）を対象に、心エコー上の長軸方向のグローバルストレイン（GLS）と心イベント（MACE）との関連を後ろ向きに検討した。 その結果、ICI治療下で心筋炎がない対照群患者ではICI前後でGLSに変化はなかった（ICI前対ICI時で20.5±2.0％対20.6±1.9％、p＝0.41）が、症例群のGLSは14.1±2.8％に低下した（P＜0.001）。駆出率（EF）低下または維持症例は心筋炎発症時のGLSが低かった（P＜0.001）。MACEリスクは、EF低下または維持でGLSが低い症例ほど高く、EF補正後でGLSが1％低下ごとに、EF低下患者はMACEが1.5倍増加（ハザード比1.5）、EF維持例では4.4倍増加（ハザード比4.4）となった。 ...