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COVID-19検疫隔離による精神的影響を軽減するには?

2020年3月11日  Lancet

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生を受け、検疫隔離が精神面に及ぼす影響を検討。データベースから検索、抽出した論文24編をレビューし、検疫隔離が精神面に及ぼす影響や精神的ストレスを軽減する因子を調査した。24件の試験は、重症急性呼吸器症候群(SARS)やエボラ出血熱、新型インフルエンザ(H1N1型)、中東呼吸器症候群(MERS)、馬インフルエンザ発生時に10カ国で実施されたものだった。 その結果、検疫隔離は対象者に心的外傷後ストレス症状や困惑、怒りなどの負の精神的影響を及ぼすことがほとんどの論文で報告されていた。ストレス因子に検疫期間の延長、感染への恐れ、フラストレーション、退屈、物資や医薬品などの供給不足、情報不足、経済的損失、偏見などが挙げられた。 精神的な悪影響を軽減するには、検疫隔離は短期間とし、可能な限りその期間を変更すべきではないこと、また、精神的な悪影響のほとんどは自由の制限によるもので、強制ではなく自発的な参加を促すことで苦痛は軽減し、長期にわたる合併症の発生が抑えられる可能性が示された。公衆衛生当局には、検疫対象者への詳細な状況説明、検疫中の環境整備、...