THAの前方進入法で手術合併症リスク増加

カナダ・オンタリオ州の病院73施設で、人工股関節全置換術（THA）を施行した変形性関節炎患者3万98例を対象に、術式と合併症リスクの関連を集団ベース後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、側方または後方進入法群よりも前方進入法群の方が患者年齢が若く、病的肥満、糖尿病、高血圧の有病率が低く、手術件数の多い外科医の執刀率が高かった。傾向スコアでマッチさせた前方進入群と側方または後方進入群（各群2993例）を比較したところ、前方進入群で1年以内の重大な手術合併症（手術を要する深部感染症、非観血的または間欠的整復術を要する脱臼または再手術）リスクが有意に高かった（絶対差1.07％、ハザード比2.07、95％CI 1.48-2.88）。 ...