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SARS-CoV-2とインフルAの重複感染例

2020年3月31日  専門誌ピックアップ

中国・北京市の中日友好病院から、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とインフルエンザAウイルスに重複感染した肺炎症例が報告された。上気道検体を用いたPCR検査では陰性が続き、気管支肺胞洗浄液(BALF)を用いた検査でSARS-CoV-2陽性が判明するまで2週間を要したという。 症例は69歳、男性。2020年1月23日、発熱と空咳を主訴に同院を受診。基礎疾患はなく、胸部CT画像で右肺下葉にすりガラス陰影が見られた。武漢市訪問歴からCOVID-19を疑い患者を隔離したが、鼻咽頭ぬぐい液でSARS-CoV-2陰性、インフルエンザA陽性を示したため、オセルタミビルを投与後に退院となった。 1月30日、発熱の持続と呼吸困難悪化のため同院を再受診。胸部X線画像で、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を示唆する両肺のびまん性滲出性陰影を認めた。鼻咽頭ぬぐい液と喀痰検査で再びSARS-CoV-2陰性だったため、インフルエンザAによる重症肺炎と診断し、集中治療棟に入院となった。 再入院から4日後、酸素化および胸部X線像が改善。BALFを採取しメタゲノム次世代シーケンシングを実施したところ、2月5日、S...