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COVID-19に用いる抗マラリア薬の科学的根拠は不十分

2020年6月5日  Annals of Internal Medicine

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に用いる抗マラリア薬、ヒドロキシクロロキンとクロロキンの有益性と有害性をリビングシステマティックレビューで検討。データベースから抽出した論文23編(2019年12月1日から2020年5月8日までに公表)のうち、4編が無作為化比較試験、10編がコホート研究、9編が症例対照研究だった。いずれも両剤の治療効果を評価したもので、予防効果を検討した研究はなかった。 全死亡、重症化、臨床症状、抗原検査で確認した上気道からのウイルス排除などの転帰にもたらすヒドロキシクロロキンの効果に関しては、科学的根拠が不十分で、結論も一貫していなかった。数件の試験で、ヒドロキシクロロキンを投与した患者にQTc間隔の500ms以上の延長が報告されたが、この所見が認められた患者の割合は試験間で差があった。 クロロキンの有効性を評価した2件の試験のうち、1件は高用量群(600mg 1日2回投与を10日間)と低用量群(初日は450mg 1日2回投与、その後450mg 1日1回投与を4日間)を比較したものだったが、高用量投与による致死性とQTc延長の増加が懸念されたため早期に中...