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COVID-19剖検所見、びまん性肺胞損傷や血栓が特徴

2020年6月23日  Lancet

北イタリアの医療機関2施設で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で死亡した38例の肺組織検体を系統的に解析し、病理学的特徴を評価した。ヘマトキシリン・エオジン染色、免疫組織化学的染色、電子顕微鏡検査を用いて組織検体を解析した。 その結果、増殖期の滲出性びまん性肺胞損傷[毛細血管のうっ血(全例)、肺細胞の壊死(全例)、ヒアリン膜(33例)、間質性・肺胞内水腫(37例)、2型肺細胞の過形成(全例)、異型を伴う扁平上皮化生(21例)、血小板フィブリン血栓(33例)]が認められた。このほか、全例に炎症性浸潤が観察され、主に肺胞腔内のマクロファージ浸潤(24例)、間質のリンパ球浸潤(31例)だった。電子顕微鏡検査の結果、ウイルス粒子は主に肺胞細胞にあることが明らかになった。著者らは、小動脈血管の血小板フィブリン血栓が凝固障害と整合しており、これはCOVID-19患者によく見られるものと考えられ、主要な治療ターゲットの一つとすべきだと結論を示している。 ...