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COVID-19の脳への影響、軽症でも急性散在性脳脊髄炎発症

2020年7月14日  専門誌ピックアップ

英国国立神経学脳神経外科学病院で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による神経疾患が疑われる患者43例(PCR陽性による確定診断29例、感染疑い8例、感染の可能性あり6例)の神経学的症状を検討した。 神経症状を次の5項目に分類した――1)MRIやCSFに異常はないがせん妄・精神病を呈する脳症10例=9例は支持療法のみで部分的または完全に回復、2)炎症性CNS症候群12例=脳炎2例、急性散在性脳脊髄炎(9例中出血5例、壊死1例、脊髄炎2例)、孤立性脊髄炎1例、1例が全快、10例が部分的に回復、1例が死亡、3)虚血性脳卒中8例=血栓形成促進性を認め、4例は肺血栓塞栓症、1例が死亡、4)末梢神経障害8例=ギラン・バレー症候群7例、上腕神経叢症1例、6例が回復途上、5)上記に該当しないその他の中枢障害群5例。出血性変化を伴う急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の発症率が特に高く、COVID-19の重症度とは関係なく認められた。 ...