COVID-19の血栓形成にNETが関与か
2020年7月20日 専門誌ピックアップ
新型コロナウイルス感染症（COVID-19）患者33例と年齢、性別でマッチさせた健常対照者17例を対象に、好中球細胞外トラップ（NET）とCOVID-19の重症度および進行度との関連を前向きコホート研究で検討した。 その結果、血漿ミエロペルオキシダーゼ（MPO）-DNA複合体値が気管挿管および死亡に至ったCOVID-19患者で高かった（P＜0.0001、0.0005）。疾患重症度は血漿MPO-DNA複合体値と直接的相関、PaO2/FiO sub>2が逆相関を示した（P＝0.0360、0.0340）。NETを誘導する可溶性因子や細胞因子がCOVID-19患者群で有意に増加し、肺剖検（3例）で好中球-血小板浸潤（neutrophil-platelet infiltration）を伴うNET含有微小血栓が確認された。ex vivo評価でCOVID-19血漿がNET形成を誘導したが、neonatal NET阻止因子でNET形成が阻害された。 ...