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アトピー性皮膚炎の皮膚損傷に表皮ブドウ球菌が関与か

2020年7月31日  専門誌ピックアップ

表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)が皮膚バリアを損傷するプロテアーゼを産することで、アトピー性皮膚炎(AD)患者の皮膚損傷を悪化させる仮説を検証。ヒトケラチノサイト組織培養とマウスモデルを用いた試験を実施した。 その結果、表皮ブドウ球菌株が高密度で増殖した場合に、強いシステインプロテアーゼ活性を産生することが観察された。活性に関与する酵素は、クオラムセンシング制御下のシスティンプロテアーゼEcpAと特定された。EcpAは、in vitroでデスモグレイン-1およびLL-37を分解し、マウスでは物理的バリアを損傷して皮膚炎症を誘発した。一部のAD患者の皮膚では表皮ブドウ球菌の過剰な存在とecpA mRNAの発現が亢進し、疾患の重症度と関連が見られた。 ...