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重症COVID-19、肺塞栓症の予測因子を特定

2020年9月26日  専門誌ピックアップ

フランスの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発生率が高い地域の大学病院(単施設)で、COVID-19入院患者全例(349例)を対象に肺塞栓症(PE)予測因子を多変量解析で検討した。 入院患者のうち重症(SpO2 93%以下または呼吸数30/分以上)または急速な悪化を来した症例計162例(46.4%、平均65.6±13.0歳、男性67.3%)に肺血管造影(CTPA)を実施し、44例(27.2%)がPEの診断を受けた。ほとんどが区域性で、PEに伴う右室機能障害の発生率は15.9%だった。多変量解析を実施したところ、CTPAで確認したPEの重要な予測因子は、Dダイマー値(四分位数当たりのオッズ比4.0、95%CI 2.4-6.7)と抗凝固療法非実施(同4.5、1.1-7.4)の2因子のみだった。ROC曲線解析では、PEの発生を最も正確に予測するDダイマーのカットオフ値は2590ng/mL-1(AUC 0.88、p<0.001、感度83.3%、特異度83.8%)で、これを超えた場合のPEリスク(調整済み)は17倍に増加した。 この記事に対する読者の皆さんからのコメントを募集していま...