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進行甲状腺がんへのレンバチニブ、開始1カ月で急性胆嚢炎多い

2020年10月7日  専門誌ピックアップ

レンバチニブによる治療中に胆嚢疾患を示唆する症状が見られる放射性ヨウ素治療抵抗性の進行性分化型甲状腺がん(RAI-R DTC)患者13例を対象に、胆嚢疾患の有病率および臨床症状、保存的治療の効果を検討した。レンバチニブはRAI-R DTCの治療に用いるマルチチロシンキナーゼ阻害薬で、頻度の高い有害事象に嘔気、嘔吐、食欲減退がある。 その結果、治療開始後期間中央値2カ月で5例(38.4%)が消化器症状を訴え、胆嚢系酵素、特にγGT値の上昇が見られ、造影腹部CTおよび超音波検査で急性胆嚢炎(AC)が示唆された。治療開始後1カ月間で症状発症およびγGT値のピークは最も大きな体重減少と呼応して発生することが多かった。全患者が支持療法を施行し、必要に応じてウルソデオキシコール酸が用いられた。4例はレンバチニブ用量減量や短期の投薬中断を要した。 著者らは、食欲不振や嘔気、嘔吐などの症状は特異性が低いため、急性胆嚢炎は頻繁に誤診されている可能性があると指摘。レンバチニブによる治療開始後、特に最初の1カ月間で体重が大きく減少した場合は、超音波検査等で素早く診断し、治療を開始することが重要だと結論を示...