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エクソーム解析で胎児水腫の3割から原因遺伝子検出

2020年10月17日  New England Journal of Medicine

非免疫性胎児水腫(NIHF)の出生前診断に用いるエクソーム解析の有用性を症例集積研究で検討。原因不明のNIHF(胎児に腹水、胸水、心嚢液貯留、皮下浮腫、胎児嚢胞性ヒグローマ、後頸部透明帯肥厚またはこのうち複数の状態を認める場合と定義)の連続症例127例を評価した。主要評価項目は、米国臨床遺伝・ゲノム学会の基準で障害の原因またはその可能性があると分類される病原性(またはその疑いがある)遺伝子変異の検出率とした。 その結果、127例中37例(29%)から、RAS-MAPKシグナル伝達経路の障害(RASopathy、30%)、先天性代謝異常および筋骨格系障害(それぞれ11%)、リンパ系障害、神経発達障害、心血管系障害、血液学的障害(それぞれ8%)などに関連を示す遺伝子変異を検出した。予後は、比較的軽度な転帰から周産期死亡までさまざまだった。診断につながる遺伝子変異を特定した症例の68%が常染色体顕性(そのうち12%が遺伝性、88%がde novo)、27%が常染色体潜性(95%が遺伝性、5%がde novo)、1例がX連鎖潜性遺伝、1例が不明だった。さらに、12例にも診断につながる可能性が...