脂質低下療法は高齢者にも有益　メタ解析

高齢者（75歳以上）に実施する脂質低下療法の有益性を系統的レビューとメタ解析で検討。LDLコレステロール低下療法による心血管転帰を検討した無作為化対照試験29件（追跡期間中央値2年以上、被験者計24万4090例中2万1492例が75歳以上）を解析対象とし、LDLコレステロール1mmol/L低下当たりの主要血管イベント（心血管死、心筋梗塞やその他の急性冠症候群、脳卒中、冠動脈血行再建術の複合）のリスク比を算出した。 その結果、LDLコレステロール1mmol/L低下当たり主要血管イベントリスクが24％低下し（リスク比0.74、95％CI 0.61-0.89、P＝0.0019）、75歳未満の患者との有意差はなかった（同0.85、0.78-0.92、交互作用のP＝0.37）。高齢患者で、スタチンによる治療（同0.82、0.73-0.91）とスタチン以外の薬剤（エゼチミブとPCSK9阻害薬）による治療のリスク比に有意差はなかった（同0.67、0.47-0.95、交互作用のP＝0.64）。LDLコレステロール低下の便益は複合評価項目の各項目にみられ、リスク比はそれぞれ心血管死0.85（95％CI...