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尿酸低下療法で心・腎転帰改善せず

2020年11月19日  専門誌ピックアップ

尿酸低下療法の心血管および腎転帰への効果を系統的レビューおよびメタ解析で検討。前向き無作為化比較試験28件(計6458例、主要有害心血管イベント506件、腎不全イベント266件)を解析対象とした。 その結果、尿酸低下療法の主要有害心血管イベント(リスク比0.93、95%CI 0.74-1.18)、全死亡率(同1.04、0.78-1.39)、腎不全(同0.97、0.61-1.54)に対する便益は示されなかったが、尿酸低下療法によって糸球体濾過量(GFR)低下速度が緩やかになり(加重平均差1.18mL/分/1.73m2/年)、収縮期および拡張期血圧の平均値が低下した(同-3.45mmHg、-2.02mmHg)。尿酸低下療法群と対照群の有害事象リスクに有意差は見られなかった(リスク比1.01、95%CI 0.94-1.08)。 ■この記事に対する有識者のコメント 小宮靖弘 国立紫香楽病院 整形外科・リウマチ科医長 本邦で出版されている「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」では「高尿酸血症を有するCKD患者に対する尿酸低下療法は腎機能悪化を抑制し、尿蛋白を減少させる可能性があり...